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2011年6月

マインドストームはソフトウェアエンジニアにおすすめのロボットシステムだ

ロボットに興味を持ち始めたソフトウェアエンジニアが、最初に手にするべきは、マインドストームNXTで決まりだろう。

ソフトウェアとハードウェアの融合としてのロボットシステムを、ここまで親しみやすい形で具現化した製品は、洋の東西を問わずないのではないだろうか。

こう断言するのには2つの理由がある。

一つはハードウェアを準備する敷居が、ものすごく低いことだ。

製品パッケージを買ってきて、最初のロボットを組み立て終わるまでに、30分もあれば充分だ。しかも、ロボットの形を作り出す仕組みがレゴブロックなので、自分のアイデア次第で、様々な形のロボットを新たに作り出すことができる。

二つ目は、標準でついてくるソフトウェア開発ツールLabVIEWの学習が、これまたものすごく簡単だということだ。

マインドストームの動作は、平行コンピューティングの概念を使ってプログラムできるのだが、LabVIEWを使うと、それがいとも簡単に実装できてしまう。

平行コンピューティングはロボットの自然な振る舞いを作り出すのに必須の概念だが、それが、専門的なことを意識することなく、ごく自然に実現できてしまうのは驚きだ。

これらの特徴は、日本のホビーロボットの特徴とは真逆のものと言える。

例えば、近藤科学のKHRー3HVだと、製品を買ってきてから、何時間もの間、延々とネジ止めの作業を続けなければならない。

毎日少しづつ組み立てる場合は、1週間以上かかるかもしれない。

そして出来上がったころには、疲れ果てて、動作をプログラミングする気力が無くなっていたりする。

しかも、2足歩行ロボットのプログラミングは難しく、標準の形から変えると、まともに動かなくなってしまう可能性が高い。

また、オプションのCPUボードを使うとC言語でプログラミングできるとはいうものの、できることは限られているし、そもそもC言語でのプログラミング自体が難しいものだから、誰もが自分のアイデアを自在にロボットに実現させるといったことは、程遠いだろうと思う。

KHRー3HVとマインドストームの違いは何なのだろう?

一つには、ハードウェア中心の考え方とソフトウェア中心の考え方があるのではないか。

KHRー3HVは本当によくできた精密機械だ。

ジャイロを使わなくても安定歩行や動作ができし、細身の格好良いプロポーションだ。

それに比べてマインドストームでつくる2足歩行ロボットは、大昔のロボットアニメに出てくるようなブリキのロボットのような姿だし、歩く姿ももたもたしている。

まさにKHRー3HVは職人技の粋をあつめたハードウェアの極みといったところだ。

一方のマインドストームは、ソフトウェアそのもののような印象を受ける。

ロボットの部品や、それらが集まってできるロボットは、ソフトウェアが現実の世界と関わるためのインタフェースに過ぎない、といった印象だ。

マインドストームが動いているのも見ていると、まるでアイデアが動いているような感覚を覚える。

と、ここまで書いた文章を読み返してみると、本当にマインドストームでロボットを作ることが楽しいんだなと思う。この楽しさはKHRー3HVを触っている時には感じなかったものだ。

もちろんKHRー3HVのような本格2足歩行ロボットを非難するつもりはないし、ハードウェアとしてのロボットは、むしろそちらが本流だと思う。

しかし、ソフトウェアエンジニアがロボットを作ってみたいというのは、自分のアイデアを、コンピュータの中だけでなく、現実の世界の中で実際に動かしてみたいという衝動にかられたときだろう。

そのモチベーションが下がらないうちに、最初の試みができる製品として、マインドストームは抜群に優れていると思うのだ。

 

ロボットに興味を持ち始めたソフトウェアエンジニアが、最初に手にするべきは、マインドストームNXTで決まりだろう。

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